硝酸銀の塩化物イオンの反応
しゃちょー!!!
CODMnのサンプルに硝酸銀溶液を入れたら溶液が真っ白になりました。💦
塩化物イオンが多いのね。
どうしたらいいにゃあ・・・💦💦💦
とりあえず混ぜる!!!
こぼさないようによく、よーーーーぉく振って混ぜること
こーですかにゃあ・・・
と、疲れたにゃあ~
左側はきれいに塩化銀の沈殿ができているから大丈夫ね。右側はまだ足りないみたいだから硝酸銀溶液を後2ml追加して振ってみて。
はい、できたにゃあ!!!
はい、これなら大丈夫ね。ちゃんと上澄みが透明になっているから、あとはいつも通り分析すればOKです。
どうしてこんなことをするのかにゃあ
塩化物イオンがCODMnの分析の測定の妨害になるから。塩化物イオンが過マンガン酸カリウム溶液と反応して、実際のCODMnの値よりも高い測定値になってしまうのよ。
よーーーーぉく混ぜるのはどうして?
塩化物イオンと硝酸銀溶液の反応は鈍いから、液を入れただけだと全然反応しないの。だからしっかりと混ぜて塩化銀の沈殿を作って上澄みが透明っぽくなるまで混ぜないといけないのよ。それでも白濁しているときは硝酸銀溶液を追加してね。
じゃあ、混ぜても改善されないときはどんどん硝酸銀溶液を追加すればいい?
三角フラスコの容量もあるからね。そのあと滴定するときに混ぜにくくなっても困るから、10ml・・・15mlくらいまでかなぁ。それでもダメな時は硝酸銀溶液の濃度を200g/Lを500g/Lに変えるといいですよ。それだと2.5倍量入れることができるから。
それだけ入れば十分かにゃあ。そんなに塩化物イオンがたくさん入ってるサンプルなんてもうないにゃあ。
それが、有るんだな!!!
海水。CODMnの測定分析で一番厄介なのが海水なの。
この場合は、溶液では無理なので硝酸銀や硫酸銀を固形のまま入れるのよ。
それか、CODOHといって海水用のアルカリ性過マンガン酸カリウムによる酸素消費量という別の分析方法を行うかね。
海水!!!確かにそうだにゃあ。海水の塩分濃度って約3%だにゃあ。
あら、ねこちゃん。よく知ってるね。そう、じゃあ、塩分濃度3%だとして塩化物イオン濃度はいくらになる?
塩分 NaCl の分子量が23+36=59 として 3/59×36=1.83 ・・・約1.8%だにゃあ。
よくできました!塩化物イオン1gに対する硝酸銀の当量は4.8gです。
塩化物イオン 1.8%(18g/L)を含む海水を100ml 使うとすると
1.8×4.8=8.64g となって 約1g 過剰に入れるとすると 海水のサンプル100mlに対して硝酸銀9.6g入れないといけないことになるのよ。
ひゃあ~ いっぱいだにゃあ。混ぜるの大変そうだにゃあ。
そうね。いいところに気が付いたね。この場合手で混ぜるのはかなり大変だから、スターラーをセットして15~20分ほど撹拌させます。あとは上澄みの色を見ながら確認してね。
スターラーかぁ・・・。手じゃなくてよかったにゃあ。9.6gって中途半端だから10gでいいにゃあ。
ねこちゃん!!待って、待って。硝酸銀も、硫酸銀も とぉ~っても高価な試薬なの。試薬の価格表に『時価』って書いてあるくらいなんだから。必要だから購入するけど、必ず見積もりは取っておいてね。
じ、時価?!なんだか高級なお寿司屋さんみたいだにゃあ。
そう、銀の相場によって価格が変動するのよ。500gで10万円とかすることもあるんだから。1gだと200円、10gだと2,000円なのよ。CODMnの分析価格なんて3,000円~5,000円くらいだから再分析でやり直りばっかりしてたら赤字だからね!!!
ひぇ~~~~ しゃちょー怖い💦💦💦
脅かしているつもりはないのだけど、慎重に、丁寧に分析してね。
はい!!わかりましたにゃあ
あっ、しゃちょー上👆の分析で硝酸銀を追加したとき、5mlじゃあなくて2mlにしてって言ったのって・・・・
ケチってんじゃなくて、大切に使ってるの!(笑)
- はじめに
- CODMnの測定
- 硝酸銀の塩化物イオンとの反応
- ブランクが高い!?
- 滴定範囲がある理由
- 30分加温の理由
- 滴定値がマイナスに!?
- 廃液処理の方法
長いこと読んでいただいておおきに
分析のご依頼・見積もりはこちらから