ブランクが高い!?
しゃちょー!
ブランクの滴定値が0.35mlもありました。 うちの純水汚れているんじゃないですか!
そうかもしれないけど・・・
ねこちゃん、分析方法はしっかり読もう!!
えぇーーー。ちゃんと読んでます。
先輩からCODMnのブランク水の滴定値は0.2ml以下じゃないとダメだって言われました。
ほら、ちゃんと読んでない。JISの注(1)のところをちゃんと読んでみて。
水100mlについてc)1)~4)を行う。この時の過マンガン酸カリウム溶液の量をaml とする。別に、水100ml について 加熱を除いたc)1)~4)を行う。この時の過マンガン酸カリウム溶液の量をbml とする。(a-b)ml を求め、この値が0.15~0.2ml程度であればよい。
あれぇ~~~加熱を除いたって・・・なんだにゃあ。
CODMnの測定は、逆滴定をおこなっているの。
ギャクテキテイ???
そう、本来なら過マンガン酸カリウム溶液を10.0ml正確に加えて、有機物と反応させて、残った過マンガン酸カリウム溶液をしゅう酸ナトリム溶液で色が消えるまで滴定すればいいことよね。
そういえば、そうだにゃあ。
上の図ように過マンガン酸カリウム溶液を定量入れて、有機物と反応させて残った過マンガン酸カリウム溶液をしゅう酸ナトリウム溶液で消して、その差を見れば有機物がわかるはずなの
だけどこれは、人の目の性質によるものなんだけど、目は前にあるものを残像として感じてしまうの。だから、色が消える終点だとその前にある色が目に残ってしまうから消える瞬間がわかりずらいの。反対に何も色のないところから色がつくのは敏感に反応するの。人によって終点の微赤色が違うけど、意外と上手な人ほど早すぎる傾向にあるんだけどね。
実際のCODMnの測定を模式図にするとこんな感じ。加えた過マンガン酸カリウム溶液10.0mlをしゅう酸ナトリウム溶液10.0mlで消して 残ったしゅう酸ナトリウム溶液の量を滴定しているから逆滴定というのよ。
で、過マンガン酸カリウム溶液としゅう酸ナトリウム溶液が、ぴったり同じだと色が消えていなかったり、1滴で色がついたりと、わかりにくくなるため しゅう酸ナトリウム溶液の力価を少しだけ高めに設定してあるの。本来同じメーカーの試薬を同時期に購入すると0.2mlを超えることは無いように調整してあるみたいだから問題ないけど、自作の試薬や古くなった試薬の場合こういうこともあり得るのよ。
なるほど。加熱なしブランクを測ったら0.18mlでした。
(a-b)だと0.17mlなので、水は大丈夫だにゃあ。
しゅう酸の力価が少し高かったのか、過マンガン酸が劣化しているのか・・・どっちかかなぁ。純水が汚れでいるのじゃなくて今回はよかったけど、純水装置のメンテナンスも必要だから、こうやって確認できるのはいいことね。
- はじめに
- CODMnの測定
- 硝酸銀の塩化物イオンとの反応
- ブランクが高い!?
- 滴定範囲がある理由
- 30分加温の理由
- 滴定値がマイナスに!?
- 廃液処理の方法
ここまで読んでいただいておおきに
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