滴定範囲がある理由
しゃちょー!
まぁーーーーー、また、外しちゃいました。
もう、やだぁーーーー。(涙)
ねこちゃん、どうしたの?
CODMnの滴定値が、3.5ml~5.5mlの間に入らなくて、さっきから何度もやり直ししてるんです。
あらら、それは大変ね。頑張って!
えぇ~~~しゃちょー 試料量100ml で外して、10ml で外して、50mlで外して・・・1回の分析に30分以上かかるし、もうやだ、帰りたいにゃあ。
最後の1個なのね。じゃあ、ウォーターバスは6連あるし、サンプルもまだたくさんあるから、55ml、60ml、65ml、70ml、80mlの6点を取って測定してみて。
しゃちょー ひどい。仕事増やしてる・・・(( ノД`)シクシク…
まあまあ、いいから、とりあえずやってごらん。
はい。・・・
しゃちょー、できたにゃあ!!!
はい、お疲れ様。ねこちゃんの測定結果をまとめるとこんな風になるのよ。
滴定値の3.5ml―5.5mlの範囲だと、サンプル量 55ml―70mlのところがOKの範囲ね。これだとサンプル量が違ってもCODMnの値としては、14,15mgl と安定してるでしょ。だから、今回の結果は15mg/lで提出してくださいね。
つ、疲れたにゃあ~。だけど、サンプル量が違うとこんなにCODMnの値が変わるなんてびっくりだにゃあ!!!
そうね。サンプル量が10mlと100mlでは、CODMnの値は6mg/lと20mg/lだから3倍以上差があるからね。
何でこんなことが起きるにゃあ。
それは、有機物と過マンガン酸カリウム溶液の酸化率が一定ではないからなの。JISでは過マンガン酸カリウム溶液の残量が4.5-6.5mlになるようにサンプル量を決めるって書いてあるでしょ。それは、そのくらい過剰に過マンガン酸カリウム溶液が残っている状態でないと酸化が一定量に進まないってことなの。もちろん過剰すぎでもだめだっていうことだけどね。
なるほど。でもこうやってみると滴定量の範囲が大事だって理解できたにゃあ。
サンプルによっては、20mlでダメ、25mlでダメ 23mlでやっと入ったとか、滴定値6.0mlで再検したけど滴定値4.5mlと計算したCODMnの値は同じだったということもあるからね。
えぇ~~~・・・・。
まぁ、ここから先は、経験値が生きてくるから、数をこなして経験を増やすしかないかな。ファイト!
はい、頑張りますにゃあ。
- はじめに
- CODMnの測定
- 硝酸銀の塩化物イオンとの反応
- ブランクが高い!?
- 滴定範囲がある理由
- 30分加温の理由
- 滴定値がマイナスに!?
- 廃液処理の方法
ここまで読んでいただいておおきに
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