廃液処理
しゃちょー、CODMnの排液タンクがいっぱいなんですけど。
そっか、じゃあ、食塩を入れて塩化銀を取り出していこう。
塩化銀を取り出す?
そう。硝酸銀が高いって話をしたでしょ。だから、塩化銀を買い取り業者さんに持っていけば買い取ってもらえるの。若しくは、新しい硝酸銀と交換とかね。
へぇー、そうなんだにゃ。それはお得な感じがするにゃ。
まずは、百均とかにある8Lのバケツで考えてみようか。5Lの廃液を処理するとして、1サンプル 100mlのCODMnが50回分。1サンプルに20%の硝酸銀溶液を5ml入れているから、おおよそで硝酸銀は何gになるかな?
20%が5mlだと1gで、50回分だから50g にゃあ。
塩化物イオン1gに対する硝酸銀の当量は4.8gだから・・・
塩化物イオン 約10g にゃあ。
そうね。ここで入れるのは食塩だからまぁ、20g~余裕をみて30g 大さじ2杯くらいかな。サンプル中の塩化物も反応しているからそのくらいで大丈夫のはず。あとは、色で確認して上澄みが透明になっていればOKです。
食塩?塩化ナトリウムですか?
試薬の塩化ナトリウムを使うともったいないから、スーパーにある食塩で大丈夫。
これをしっかりとかき混ぜて、塩化銀を沈殿させて取り出したら終わりにゃあ!!
上澄みを別のバケツに移して、なるべく沈殿だけを残して、その沈殿を何度か水で洗ってその上澄みもさっきのと合わせておきます。まぁ、酸処理の廃液ができる流し台ならそのまま流してもいいのだけどね。うちは出来ないからここからちゃんと中和処理まで行ってね。
中和処理?
そう、CODMnは硫酸酸性にしているから結構酸性が強い廃液なの。だから水酸化ナトリウムを入れて中和するのよ。
どれくらい入れたらいいにゃあ。
計算してみて。硫酸(1+2)を10ml 50回分だから 500mlだよね。
H2SO4 + 2NaOH → Na2SO4 + 2H2O
硫酸は、500 / 3 × 1.84 =約310g だから 310 / 98.08 = 3.16mol 水酸化ナトリウムは倍の6.32mol 必要だとなると・・・約250g くらいですか?
えっ、そんなにいるんだ。結構たくさんいるんだにゃあ。
ねこちゃん偉い!
サンプルがほぼ純水に近ければ計算上そうなるよね。ただし、サンプルにも酸とかアルカリとかいろんなものが含まれているからピッタリそうとは限らないからね。
あと、水酸化ナトリウムを加えると発熱反応が起こるから、50gずつ入れてかき混ぜてPH試験紙で確認しながら追加していくといいよ。
なかなか大変だにゃ。頑張るにゃあ。
- はじめに
- CODMnの測定
- 硝酸銀の塩化物イオンとの反応
- ブランクが高い!?
- 滴定範囲がある理由
- 30分加温の理由
- 滴定値がマイナスに!?
- 廃液処理の方法
ここまで読んでいただいておおきに
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